うつ病になると、できないことばかり考えてしまいますよね。このできないことって、うつ病になる前の自分と比べていませんか?
以前の自分と比べてできない、やれないとなってしまう気持ちはわかります。でも、それはうつ病がそうさせてしまっているのです。
うつ病は、何も意識していないとネガティブな方向へ考えがいってしまう病気です。
ネガティブなことを考え始めたら、まずは自分を静観してください。観察して「いまネガティブなことを考えているな」と気づくことが大事です。そして、このネガティブな考えは、うつ病だからしているのだと考えるようにしてください。
うつ病を受け入れて、意思の力を利用して、新しい自分作りをしてください。
この記事がそのお手伝いができれば幸いです。
- ■うつ病の特徴
- ■過去の自分と比べるのをやめる
- ■うつ病を受け入れる
- ■できることから始める
- ■できることを積み重ねる
- ■コミュニティーに参加する
- ■自信がついたらカミングアウトする
- ■睡眠をしっかり取る
- ■【うつ病克服】新しい自分へ!できることから始める、一歩ずつ前に進むためのヒントのまとめ
■うつ病の特徴
うつ病は、人それぞれによって症状の現れ方が違います。頭痛がしたり、耳鳴りがしたり、めまいがしたり、倦怠感が強かったり、息苦しかったり、いろいろです。その中でも多くの方に共通している部分として「ネガティブなことを考えてしまう」というものがあります。
ネガティブなことを考えてしまう一例として
・何もできない自分が情けない
・こんな自分じゃ周りから受け入れてもらえない
・ミスばっかりしている、自分はダメなヤツだ
・みんなから嫌われている
・◯◯すべきと考えて、できない自分を否定してしまう
・自分のせいで、世の中が悪い方向へ向かっていると考えてしまう
・過去の自分と比べて、自分は何もできないと考えてしまう
こういったことを考えてしまいます。
これらの考え自体は悪いことではありません。ある意味、うつ病のせいです。こういった考えが発生したら、自然体で観察しましょう。いい、悪いを判断する必要はありません。静観してください。気づくことが、大切です。気づくことができたら、変えることができます。
特に「過去の自分と比べて、自分は何もできないと考えてしまう」は、一番変えやすい思考のクセです。私も、この思考に気づいて、変えることができて、他の思考に気づくようになりました。そして、悪い考えはうつ病のせいだと区切りをつけられるようになりました。
うつ病の特徴を知り、思考の癖を見つけて、ゆっくりとマイペースで今の自分と向き合ってください。
■過去の自分と比べるのをやめる
まずは、過去の自分と比べるのをやめましょう。病気前と病気後とでは、できることが違って当たり前です。
風邪をひいているのに、100mを全力でダッシュできないと言っているのと同じことです。まずは風邪を治すために休むのが先ですよね。
うつ病前の自分と比べるのは、100mを風邪をひいているのにダッシュしようとしていることと同じです。まずは、ゆっくりと休んで、心と体を癒してください。
■うつ病を受け入れる
うつ病であることを受け入れないと、自分を苦しめてしまうことにつながります。
うつ病を受け入れると、頭痛、耳鳴り、めまい、倦怠感、息苦しさは、体からの休めというサインだと考えられるようになります。
ネガティブな考えは、うつ病だからこんなことを考えてしまっていると考えられるようになります。
悪いことは全部、うつ病のせいにできるのです。
うつ病を受け入れられないでいると、いつまでも何もできないのは自分の責任だとなってしまい、前に進むことができません。
うつ病を受け入れたくない気持ちは、わかります。
なんで自分がうつ病になるんだ。
うつ病になるなんて自分はなんて弱いんだ。
こんなことを考えてしまっていませんか?
大丈夫です。うつ病は誰しもがなってしまう可能性がある病気です。弱いからなるとか、うつ病は恥ずかしい病気とか、そんなことはありません。
もう一度、言います。
うつ病を受け入れてください。そして、頭痛、耳鳴り、倦怠感、息苦しさ、ネガティブな思考は、うつ病の症状だと考えてください。症状が出たときにどう対処するかを決めておくことが、うつ病と付き合っていくコツです。
■できることから始める
できないことばかりに意識がいってしまうのが、うつ病の症状です。できないことばかりに意識が向いてしまうと、何もできない自分ができあがってしまいます。過去の私も同じでした。動かない体、何もやる気が起きない気持ち、このままで自分に意味があるのか? なんてことを考えていた時期があります。
そこで、重要なのが「できることに意識を向ける」ことです。うつ病と向き合いながらできるペースで、少しずつ前に進んでいってください。
2時間でも眠ることができた
朝、起きられた
トイレに行けた
朝ご飯を食べることができた
ゲームをプレイすることができた
アニメを見ることができた
コミックを読むことができた
なんでもいいのです。大きい行動、小さい行動も気にすることはありません。自分にできる行動を意識してみてください。
すると、不思議なことが起きます。
小さな自信が生まれてきます。この小さな自信をきっかけに回復の方向へ向かい始めます。
私の場合は、ゲームでした。
ゲームに熱中してプレイをしていたら、夜眠れるようになり昼寝をすることが少なくなりました。夜眠れるようになったら、散歩へ出かける元気も出てきました。
ぜひできることに目を向けて、小さな自信を取り戻してください。
■できることを積み重ねる
できることに意識が向いてくるようになったら、踏ん張りどころです。
できることを毎日の日課にする必要はありません。週に数回でいいので、繰り返し行動するようにしてください。自分のペースでかまいません。行動の積み重ねが小さな自信を大きな自信へと成長させてくれます。
2時間眠れるように、同じ時間にベッドに入る
朝、同じ時間に起きるようにする
トイレに同じ時間に行くようにする
朝ご飯を前日に準備するなどして、食べやすい環境を作る
ゲームを同じ時間にプレイするようにする
アニメを同じ時間に見るようにする
コミックを読みやすいように、手に取りやすい場所に置いておく
などなど、行動しやすい準備をしてください。行動するきっかけが増えます。
■コミュニティーに参加する
できることを繰り返しできるようになったら、不思議と日常生活が安定してきます。
次のステップに進む時期です。
コミュニティーに参加してみましょう。一番のお勧めは、就労移行支援サービスです。日常的に通所があり、軽作業とPCの訓練があり、続けて通所していると再就職の準備も手伝ってくれます。
就労移行支援サービスについてはこちらの記事をどうぞ
就労移行支援サービスに通うと、悩んでいるのは自分だけではないんだ!! と分かります。いろいろな障害を抱えた方が集まっているので、多くの人が理由があって、つらい思いをしていることが実感できます。
自分だけじゃない、と思えることは小さな勇気をもらえます。
■自信がついたらカミングアウトする
ご自分が今のままでいい、回復していると感じ始めたら、それは素晴らしいことです。あなたのペースで少しずつ前に進んでください。
もし、できるならば、コミュニティ内でカミングアウトをすることを考えてください。周囲の反応が気になってカミングアウトするには勇気がいりますよね。なので、カミングアウトは、自分のタイミングでかまいません。
カミングアウトすると、不思議とスッキリとした気持ちになります。うつ病のことがとても小さなことのように感じます。
今まで隠していた方は、胸の中に小さなわだかまりを抱えていたかもしれません。そのわだかまりが無くなります。すると、心が軽くなる感覚が味わえます。
私も就労移行支援サービス内で他のメンバーさんとのグループセッションでうつ病のことをカミングアウトしました。勇気は必要でしたが、メンバーの皆さんから共感と励ましの言葉をいただきました。カミングアウトしたあとに、晴れやかな気持ちになったのを今でも覚えています。
カミングアウトは、ご自身のタイミングで無理のない範囲でチャレンジしてください。
■睡眠をしっかり取る
できることが増えて、積み重ねていき、コミュニティに参加し始めると、日常生活が安定して充実感を感じるようになります。
回復している証拠です。ただ、この時期に、今まで沈んでいた分を取り戻そうとして、頑張りすぎると、反動で疲れやすくなってしまいもとに戻ってしまいます。
日常生活が安定し始めたら、睡眠を中心にして日常生活のサイクルを回すようにしてください。夜寝始める時間と朝起きる時間を同じにするように工夫してください。こうすれば、睡眠時間を軸に日常生活を組み立てることができます。
睡眠時間が安定していると、日常の活動時間も安定してきます。さらに、就労移行支援サービスを使えば、通所する場所があるので、メリハリがつきます。
今を維持する感覚で、睡眠時間をしっかり確保して、回復していることを感じながら自分のリズムで日常生活を過ごしてください。
■【うつ病克服】新しい自分へ!できることから始める、一歩ずつ前に進むためのヒントのまとめ
うつ病でできないことばかりに意識が向いてしまうのは、うつ病の症状です。決して、あなたが悪いわけではありません。できないことに意識が向いていることに気づいたら
過去の自分と比べるのをやめてください。ついつい自分を責めてしまいます。
そして、うつ病であることを受け入れてください。悪いことを考えてしまう、ついつい自分を責めてしまう、これらはうつ病の症状です。しっかりと症状であることを認識してください。
うつ病の症状を意識することができたら、ご自身のペースでできることを確認してください。眠ること、横になること、3分の散歩、なんでもいいのです。できることを確認してください。そして、できることを週に数回のペースでいいので、繰り返してください。できることを繰り返していると自信につながります。新しい自分を作る感覚で過ごしてください。
自信が回復してきたら、コミュニティへの参加を検討してみてください。コミュニティに参加すると、悩んでいるのが自分だけではないという気持ちと社会に参加しているという気持ちが生まれます。
できることなら、コミュニティ内でうつ病であることを勇気をだしてカミングアウトすることに挑戦してください。カミングアウトできると、晴れやかな気持ちを味わえますよ。
最後に、睡眠時間だけには気をつけてください。回復し始めると頑張りすぎてしまい、反動でもとに戻ってしまう場合があります。元に戻らないように、6~8時間の睡眠を確保するために毎日同じ時間に就寝するようにしてください。
うつ病を意識して、新しい自分を作る感覚で日常生活を過ごしていけば、回復していきます。ご自身のペースでチャレンジしてください。