久山 薫/うつ病からの回復

【私にもできた】うつ病 克服の記録

うつ病で会社を辞めても大丈夫!お金と再就職の不安を解消する方法

私もうつ病を治療中です。もともと会社員でしたが、強いストレスで体が動かなくなるほど症状は悪化しました。そして、仕事を続けることができなくなり、自己退職を余儀なくされました。現在、心療内科へ通院し服薬を守り、治療を続けています。傷病手当金を利用して生活をしつつ、就労移行支援サービスを利用して再就職先を探しをしています。
今の職場がツライと感じている方、お金や生活が心配で新しい行動ができないと感じている方、私の経験が少しでも参考になれば幸いです。

■お金の問題はなんとかなります

今の職場を辞める決断ができない、休む決断ができない。この問題は生活の心配があります。私も生活が心配で、無理して仕事を続けていました。心療内科へ通いながら、薬を飲みつつ、倦怠感を背負いながら仕事をしていました。
生活の問題はなんとかなります。私の場合は、有給休暇を使い、傷病手当金の最初の手続きをしてから自己退職をしました。傷病手当金雇用保険の制度を利用すれば、最低限の生活を維持することは可能です。今は傷病手当金で暮らしています。
休職して体と心を休めてもいいし、休職してからの退職で新しい環境を求めるのもありです。無理して仕事を続けなくても、休職・退職の選択肢はあります。まずは、体と心を休める機会を作ってください。

■再就職先の問題もなんとかなります

今の会社を辞めると、次の就職先がきまらないんじゃないか!? って、不安を抱えてしまいます。私も同じ不安を抱えながら仕事を続けていました。
就労移行支援サービスという、障害者向けの支援サービスがあります。うつ病精神障害の一種なので、就労移行支援サービスを使えます。使える支援サービスは利用しましょう。そのために、今まで税金を払ってきたんですからね。
就労移行支援サービスを使えば、ゆっくり自分のペースで職場と仕事内容を確認しながら、新しい職場を探すことができます。また、キャリアカウンセラーからのアドバイス、自己理解プログラムでの自己分析で効果的に再就職活動を進めることができます。
私は LITALICOワークスという就労移行支援サービスを利用して再就職活動を進めています。再就職先問題で悩んでいる方、就労移行支援サービスを利用するという選択肢を増やしてください。

■会社を辞めるメリット、デメリット

会社を辞めるメリット

症状の軽減:治療を開始できるのと仕事のプレッシャーから開放されるので症状は軽くなりました。
治療の集中:仕事を休むのでほとんどの時間をうつ病の改善に遣うことができます。
リフレッシュ感の獲得、リフレッシュというよりも仕事からの開放感があります。強いストレスやプレッシャーからの解放、これが一番強いメリットです。「もう、仕事しなくていいんだ」という気持ちは今でも覚えています。
キャリアの再設計:今までの経験をリセットすることができます。私は仕方なく営業職の仕事をしていたので、もう営業の仕事をしなくていいんだ、という気持ちは大きいです。

会社を辞めるデメリット

経済的な不安:安定的なお給料がなくなってしまうので、お金の不安はあります。
孤立と孤独感:会社というコミュニティから離れてしまうので、日々の生活で顔を合わせるのは家族が中心になります。
自己価値観の低下:うつ病という病気の症状で自己肯定感が低くなりやすいです。また、仕事での達成感がなくなるので、自己肯定感が上がりにくくなります。
キャリアへの悪影響、会社をやめた場合には、治療のためキャリアに空白の時間ができてしまいます。一般の就職活動をすると、この空白の期間に何があったのか聞かれることがあります。
日常生活の悪化、会社へ行っていると、規則正しい生活をすることになります。出社時間が決まっているので、そこが軸になっているからです。この軸がなくなると、いつまでも寝ていられるし、朝寝坊しても問題ないので、夜更かしをするようになります。

■会社を続けるメリット、デメリット

会社を続けるメリット

経済的安定:会社からのお給料が定期的に支給されるので、生活費や将来の計画が立てやすいです。
社会的つながりの維持:仕事を通しての上司や同僚との関わりと、会社というコミュニティーに所属しているという安心感があります。
日常生活の安定、出社時間が決まっているので、規則正しい生活を送ることができます。

会社を続けるデメリット

症状の悪化:無理して仕事を続けているので症状は悪化する可能性があります。通勤ラッシュのストレス負担で体に悪影響を及ぼす可能性があります。
生産性の低下:うつ病で集中力や記憶力が低下しているので仕事の効率が落ちてしまいます。
自己肯定感の低下:ミスやトラブルが増えて周囲からの評価が下がってしまいます。また、無気力感や自己否定の感覚が生まれてしまい、うつ病の症状が悪化する可能性があります。

うつ病とは

うつ病精神疾患の一種です。気分が沈み込む病気です。一般的には、気分の沈み込み、感情の消失、睡眠障害、食欲の変化です。
私の場合には、胸の締め付け感、頭痛、重い倦怠感、幻聴、不眠、頭痛がありました。たぶん、人それぞれの症状は違っていると考えています。精神、心が原因で体に悪い症状が発生して、不眠に悩まされる。これがうつ病だと私は考えています。
他には、頭の中で常に誰かの声がします。やる気や集中力を奪われるので、何もやる気が起きない、何もできない状態が続いてしまいます。頭の声は、ネガティブな意見が多くて、自己肯定感が低くなり自信喪失状態になります。発症当時のことを思い返すと、本当にツライ時期でした。
心療内科へ行き、薬を処方してもらい服用して、症状は軽くなりました。うつ病の方、悩んでいるのはあなただけではありません。なので、安心して心療内科へ行って治療をしてください。

うつ病との向き合い方

主治医さんのアドバイスをしっかりと実行してください。主にアドバイスされることは、十分な睡眠時間、規則正しい生活、散歩、きちんと薬を飲み続けることです。できる範囲でかまいませんので、アドバイスを実行していきましょう。私の場合ですが、アドバイスを守ることで 3ケ月ぐらいで日常生活ができるようになるまでに回復しました。そして、半年後には記事を今、書いています。
内面的な問題は、うつ病を受け入れてしまうことで緩和できます。自分がダメな人間のように感じる、なんにもやる気がしない、これで悩んでいたら「うつ病だから、ダメなふうに考えてしまう。」と言い換えてしまいましょう。うつ病はネガティブなことを考えてしまう病気なんだ!! と考えて、悪いことはすべてうつ病のせいにしていました。この考え方で、自分がずいぶん楽になりました。

傷病手当金雇用保険で最長 2年半の支給

傷病手当金は、健康保険組合から支給される給付金です。所属している会社から支給されるものではないので、安心して利用してください。傷病手当金は、働けない状態の間のお給料の 7割ほどの金額が最長18ヶ月支給されます。手続きは、初回の分は難しいので会社に所属しているときに最初の手続きをしましょう。2回目以降の手続きは、個人でも書類を揃えられます。会社を辞めた場合、注意することが 1点だけあります。雇用保険と同時に両方を受給することはできません。ですので、雇用保険の受給期間の延長申請を行う必要があります。会社を辞めてから傷病手当を受給する場合には、雇用保険の受給期間の延長申請の証明書が必要になります。ですので、ハローワークでの手続きが必要になります。この 1点だけは気をつけてください。
雇用保険は、45歳以上ならば 1年間支給されます。傷病手当と雇用保険を合わせて、2年半(30ヶ月)の間、なにかしらの支給金があります。この貴重な時間を使って、治療と再就職活動をする時間にするわけです。あくまで、最長 2年半なので、年齢や症状によって期間は変わってきます。

傷病手当金の申請方法が気になる方は以下のリンクを参考にしてください。

会社を退職してももらえる! 傷病手当金の申請方法 - 久山 薫/氷河期世代の生き残り日記

■やっぱり薄給!? 障害者雇用のお金の現実

障害者雇用のお給料は、幅が広いのでなんとも言えません。アルバイト扱い、契約社員扱い、社員扱いに分かれてしまうのも現実です。社員扱いで、手取り15万~25万の幅があります。障害者雇用で再就職する場合は、社員登用はあるのか? お給料はいくらぐらいもらえるのか? 遠慮せずに確認しましょう。再就職してから、こんな薄給じゃ生活できないよ。。。なんてことにならないようにしましょう。
障害者雇用の再就職には、就労移行支援サービスを利用することをおすすめします。就労移行支援サービスを使えば、再就職する前に職場体験として 1週間~2週間の間、インターンのように職場の雰囲気、実際にやる仕事の内容、職場の周囲の人達を確認することができます。また、障害者が長く働き続けるために配慮事項を受け入れてもらえます。残業過多でうつ病を発症した方は、残業を基本的にしない定時まで、繁忙期に少しだけの残業にしてもらう、などの配慮事項も相談できます。私も就労支援サービスを利用して、再就職活動をしています。
傷病手当と雇用保険の受給期間中に副業の準備をしておくのも一つの対策方法です。収入があると傷病手当も雇用保険も支給がストップしてしまうので、副業の準備だけにしてください。例えば、webデザインの勉強を始める、ブログを開設して読者を集めておく、ライティングの勉強をしておく、など稼げる準備をしておくのも一つの選択肢です。

■副業は始める価値あり

副業の準備は私もやっています。私の考え方は、生活費は会社員としてのお給料で、贅沢費は副業の売上からです。
うつ病を発症して、仕事、会社に対する考え方が変わりました。会社は個人を助けてくれません。なので、会社のためにと考えてガムシャラに働いても、自分の生活が良くなることはありません。むしろ体と心を壊すことになります。
会社に頼らず生きていけるようになりたい、とうつ病になってから考えています。自分のスキルで生活ができるほど稼げる自信があるのか? と言ったら、ないです。なので、会社と自分の半々で収入を得ることにしました。自分で稼げなくても、最低限の生活はできる。贅沢したい分は自分で稼ぐ。私のうつ病とともに生きていくための方法です。もちろん、違う意見もあるでしょう。ただ、無理して仕事して体を壊した経験をすると会社だけに頼りたくないというのが本音です。自分で稼げるようになって、いつでも会社を卒業できるという気持ちの余裕がほしいのです。

■副業で独立開業して働きやすい環境を作る

会社員として復帰する自信がない方は、スキルを身に着けて独立開業するのも一つの方法です。
うつ病の症状が重いと何もやる気が起きないですよね。そういう病気なので仕方がありません。まずは時間をかけてゆっくり休みましょう。それでも、会社に戻るのが怖い、働く自信が持てない、という気持ちがある場合は、好きなことをお金に変える方法を見つけて、スキルを高めて独立開業することを選択肢にしてみましょう。好きなことなら、動けますよね。やりたくないことをやらずにすむように、動いてみましょう。傷病手当だけでも、18ヶ月の時間があります。1年半もあれば、何かしらのスキルを身につけることが可能です。やってみたいことに挑戦するには、いい機会だと考えてみましょう。
再就職が無理な場合には、自分で稼ぐ。そして、自分の働きやすい環境で仕事をすることをイメージしてください。ちょっと、ワクワクしてきませんか?

うつ病をネガティブに捉えていれば、前に進むことはできなくなってしまいます。うつ病を受け入れて、前を向けば時間という選択肢が生まれます。時間を有効に使ってみませんか? 立ち止まって、自分の心の声を聞いてください。再就職して新しい会社で仕事を始める。今の会社に戻る。スキルを身に着けて伸ばして独立開業をする。3つの道があるんです。それだけ、心療内科へ行って診断を受けて傷病手当金を使って休むことには意味があるんです。まずは、自分の心と体をゆっくり休めてください。